アマデウス2
(松本幸四郎主演
アマデウスは版権とか厳しいだろうからDVDになる可能性は限りなく低いと思っているので完全に自分の為の備忘録かつ自分がストーリーを整理する為に書きます。
シーンの感想は書いてるけど全体的な感想はまた別で書けたら)
★ただの馬鹿じゃなかったモーツアルト★
『女への誓いもこれでご破算』『社会奉仕の誓いもパー』
神への誓いとして行っていたことをやめ、グレて派手になるサリエーリ。
モーツアルトは一定の評価を得るものの埋もれたままジリ貧。
ついに『イタリア語のオペラ』を書きたいと言い出す。
本物の人間のストーリが書きたい、伝説物語のオペラじゃなくて!と主張するモーツアルト(基本的にその時代のオペラは全て伝説物語だった)
『今世紀に書かれたもっともらしいオペラは全て退屈でありま~す』
と椅子の上に立って高らかに宣言するモーツアルトにポカーンと口を開けて呆れるサリエーリ・長官閣下・侍従長閣下
それを見て、『見事な四重唱だ~』と。
物真似をしながらそれぞれの心情を語るモーツアルト。
みんな声色似てる!桐山君マジ多才。
そして侍従長閣下と長官閣下は本当にそう思ってそうな言葉なんだけれどサリエーリは
『下品なドイツ人のモーツアルト!あいつに音楽のことなど何がわかるものかっ』
って声マネするんだけど、実は正反対っていうのも面白い。
そのあと、モーツアルトはこう続ける
『オペラの惚れすごいんですよ。劇作家ならそれぞれの心情を言葉にして順番に書いていかなければならないでしょ?
でも、オペラは違う!いっぺんに聞かせることが出来るんですよ。しかもそれぞれの言葉をきちんと聞かせながら』
『あ、ボク何十分も続くフィナーレを書こう~四重唱が五重唱になり五重唱が六重唱になり重なり合った音は耳の中で混ざりあい全く違う一つの音になるんだ!
あ!きっと神様もこうやって人々の声を聴いているに違いない!
そうだ!これが我々作曲家の仕事じゃありません?民衆の声を音楽に変えて神に聞かせる。
そして聴衆を神に変えるんだ!!!!!はぁぁぁ(想像して幸せそうな顔)』
悦に入っていたモーツアルトは周りの空気に気づいて茶化すんだけど、
サリエーリはすごくハッとした顔をしている。
だって、サリエーリは音楽は『神の声』と表現していた。
モーツアルトは音楽は『神に聞かせる声』と言う。
アプローチ方法は正反対なのに、ここにサリエーリとモーツアルトの共通項を見る。
キリスト教圏の人には当たり前なのかもしれないけれど、サリエーリとモーツアルトは音楽に対する考えが似ていると気づかされる。
そしてモーツアルトは『皇帝にオペラが出来たとお伝えを』と。
もうできたのか?という問いに
『もう頭ン中に。あとはさらさら~っと書くだけ』とサリエーリが1幕で気づいたことが事実であることをわからせる言葉を放つ。
★監督閣下に嫌われるモーツアルト★
ついにイタリア語のオペラを書くというモーツアルト。
自分の領分を侵されたくないサリエーリはなんとか邪魔しようと監督閣下を巻き込んで上演を中止しようと画策。
だが、皇帝がモーツアルトの味方をしてしまい、画策は失敗。
サリエーリの予想通り、オペラの出来は素晴らしく、完全なる敗北を感じるサリエーリ。
しかし皇帝の好みではなかった為、上演は失敗。
ここでモーツアルトはサリエーリに感想を聞く。
ほめたたえるサリエーリ。モーツアルトは落ち込みながらも『これはオペラの最高傑作ですよ』と自画自賛。
監督閣下の面目をつぶしてしまったモーツアルトはどんどん仕事を失う。
先進的なモーツアルトの音楽は観客の受けも悪い。
追い詰められていくモーツアルト。
ここまで来たらサリエーリが何をせずともモーツアルトは落ちぶれる一方。
なのにサリエーリは『あとはモーツアルトに近づいて彼の弱点を知るのみだ』と。
いやいや、理由つけて結局一緒に居たいだけでしょとひそかに思う私。
サリエーリになつくモーツアルト。
父親が死に、少し怯えたように狼狽えながら『僕にはもう誰もいない』と言うモーツアルト。
そんなこと言ったら傍らでサリエーリ密かに傷ついてるで!って思う私。
なついたと思ってたのに。。。
しかしめげずにサリエーリは『私が君の力になろう』と手を広げて抱擁を求める。
その胸に飛び込むかに見えたモーツアルトはそのまま飛び込まず
『パパ―』と叫んで音楽の世界へ。
その後にもモーツアルトはサリエーリの抱擁を拒否しているし、
握手も無視されるし、切ないよね。サリエーリ。
★フリーメーソンを題材にした『魔笛』を作り長官閣下を怒らせるモーツアルト★
いよいよ困窮し体調も悪く安酒におぼれ『灰色のコートの灰色の仮面の男』の悪夢を見るモーツアルト。
そのモーツアルトを怖いと言い二人目の子供が出来たきっかけで出て行ってしまうコンスタンチェ。
その直前に二人で歌っていた曲が
『パパパの二重唱』
出会って恋をした二人が運命の出会いの幸せをかみしめたり、子供は何人ほしい?とかって言い合う曲らしい。
なんて切ない。。。
そして悪夢の中の仮面の男はモーツアルトに『レクイエムを書け』と。
現実だと思いつつも、本当に現実かどうかも自信がないモーツアルト。
神のつかいなのではないかと考えるモーツアルト。
フリーメーソンの友愛の精神にのっとって厳しいことを言いながらもなんだかんだ支援してくれる長官閣下。
この関係を断ち切らないと完全に追い詰めることはできないと思ったサリエーリは
次の題材を『フリーメーソンにしてみたら?』とけしかけ、まんまとそれに乗っちゃうモーツアルト。
魔笛を聞いたサリエーリはモーツアルトは神が吹く『笛』だと表現する。
こんなに弱り果てているのに、いつまで神は笛を吹き続けるのか。
そしてサリエーリの差し金で観に来ていた長官閣下は激怒し、ついにモーツアルトの味方はサリエーリ一人。
★モーツァルトが来ないからこっちから行っちゃうサリエーリ★
支援者は誰もいなくなった。味方はサリエーリただ一人。
と思っていたのに、モーツアルトが全然自分のところに来ない。なぜだ?
風によるとモーツアルトは窓際のテーブルで必死に曲を書きながら時折窓の外を怯えるような目で見て誰かを待っている様子らしい。
そうだ。私は知っている。モーツアルトが待っているのはレクイエムを書けと言った灰色の仮面の男だ。
モーツアルトが待っているのならば、自分が仮面の男になろう。
窓の外で怯えるモーツアルトに向かって毎日カウントダウンをし、ゼロになった瞬間、
やっぱりモーツアルトは思ってた通り自分を部屋に呼び入れた。
そしてモーツアルトの部屋へ行くサリエーリ。
神のつかいだと思っているモーツアルトは目が合うことを極端に恐れ、怯えながら
『すみません、まだできてないんです。あとちょっとなんです!』
と途中まで出来上がっている曲をサリエーリに見せている間、子供のころは幸せだったと、父親に愛された過去を話すモーツアルト。
『ボクの人生はどうしてこんなことになってしまったの?そんなにボクが悪かったですか?
神様の代わりにこたえてください!』
と仮面をつけたサリエーリに懇願するモーツアルト。
その瞬間楽譜を破るサリエーリ。
『素晴らしい、素晴らしいよ。神の言葉だ飲み下す』
と飲み込んでしまう。
口に残ってた切れ端を吐き出し
『我々は毒を盛られたのだよモーツアルト。10年間の私の憎しみが君を死に至らしめるのだ』
と。仮面を外すモーツアルト。
『サリエーリっ』とささやくように驚きの声を上げるモーツアルト『神様』と。
『神は助けてなどくれない。神はお前を愛してはいない。
君が出来ることは死ぬことだけだモーツアルト!死ねぇ!死んでくれ!私を一人にしてくれ!』
怯えて机の下に逃げるモーツアルト。机を叩きながら叫ぶサリエーリ。
叩かれるたびに怯えていたモーツアルトの目がどんどん変わっていき、怯えるリズムが早くなるモーツアルト。
机の下から出て
『パパー!』と叫ぶ。
父親が死んだ時とは違う、甲高い子供の叫び声。
そして『パパー?(周りを見渡し)パパー』と幼児退行しているモーツアルト。
振り返りサリエーリを見つけるて嬉しそうに『パパ~、抱っこして~』と甘える。
驚いて固まって後ずさりするサリエーリに向かって
『ほら、その手を下ろしてくれたらさ、そこに飛び込むからさ…ねえってばぁ
ほら昔よくやったじゃん、ホップホップぴょんっ』と机の上に飛び乗る。
サリエーリがさらに怯えて避けようとすると
『ねえ抱っこして?』
『ねぇキスの歌歌おう?覚えてる?オラーニャ・フィアガータ・ファ・マリーナ。ガミーナ・ファ チュッチュ』
足をぶらぶらしながら子供の声で歌い続けるモーツアルトを抱きしめるサリエーリ
『見よ。深淵なる神の歌声が、赤ん坊の歌声に変わった。人間を引きずり下ろすという事は神を引きずり下ろすという事だ』
と。慟哭するサリエーリ。
サリエーリの胸の中で泣くモーツァルト。
自分が望んでいたはずなのに傷ついた表情で去るサリエーリ。
キスの歌を歌い続けるモーツアルト。そこへコンスタンチェが帰ってくる。
『スタンチェ~』
と泣きながらコンスタンチェにしがみ付くモーツアルト。
『サリエーリにねぇ毒を盛られたんだぁ。サリエーリなんだよ。サリエーリが自分で言ってたもん』
とコンスタンチェに訴えかけるモーツアルト。
コンスタンチェは子供をあやすみたいに『そうねぇ、もう大丈夫よ~』と声をかけながらモーツアルトを寝かせる。
『サリエーリだ!サリエーリだ!』と怯えたように目を見開き叫ぶモーツアルト。
コンスタンチェの膝枕で寝るモーツアルト。
コンスタンチェは一生懸命モーツアルトに話しかける。
レクイエムが流れ、弱弱しく指揮をするモーツアルト。
その眼にはもう怯えはない。
コンスタンチェが『あなたと結婚した日が人生最良の日だった』と話しているときに一筋の涙を流し息絶えるモーツアルト。
(サリエーリが口から吹き出した楽譜の切れ端が目の前にあるときはそれを持ち、力尽きる時にハラリと落とす場合もあり)
まだまだ続く。我ながら長いww